代替テキスト(alt)の正しい書き方と実例

要約altは画像の内容・役割を文脈に沿って伝えるのが原則。装飾画像は空のalt=""、リンク画像は行き先を書きます。

代替テキスト(alt)とは — 誰のためのものか

代替テキスト(alt)とは、画像の内容や役割をテキストで伝えるためのimg要素の属性です。スクリーンリーダーはこのテキストを音声で読み上げ、画像を表示できない環境(通信障害・画像ブロックなど)ではこのテキストが代わりに表示されます。WCAG 2.1では達成基準1.1.1「非テキストコンテンツ」(レベルA)として定められている、アクセシビリティの最も基本的な要件です。

altの恩恵を受けるのは視覚障害のある利用者だけではありません。検索エンジンやAIは画像そのものを完全には理解できないため、altは画像SEO・AI検索対策としても機能します。「スクリーンリーダーの利用者に伝わるalt」は、そのまま「機械に伝わるalt」でもあるのです。

なお、2024年4月施行の改正障害者差別解消法で義務化されたのは「合理的配慮の提供」であり、ウェブアクセシビリティ対応は「環境の整備」として努力義務です。ただし両者は一体で運用されるため、altの整備は環境整備の第一歩として実務上強く求められます。詳しくは義務化 完全ガイドをご覧ください。

書き方の4原則

altの書き方は、次の4原則を押さえればほとんどのケースに対応できます。

原則1: 画像が伝えている「内容」を書く

情報を伝えている画像には、その内容が伝わるテキストを書きます。ポイントは「画像を見た人が受け取る情報」を、見られない人にも同じように届けることです。「画像」「写真」「イメージ」といった言葉は、スクリーンリーダーが画像であることを伝えてくれるため原則不要です。

原則2: 装飾目的の画像は空のalt=""にする

背景の飾り、区切り線、雰囲気づくりのための写真など、情報を持たない装飾画像には空の代替テキスト(alt="")を指定します。こうするとスクリーンリーダーはその画像を読み飛ばし、利用者は本来の情報に集中できます。「何か書かなければ」と装飾画像にまで説明を付けると、かえってノイズになります。

原則3: 文字が入った画像は、同じ文言を書く

バナーやロゴなど文字を含む画像には、画像内の文字と同じ文言をaltに書きます。画像内に「初回限定30%OFF」とあるなら、altも「初回限定30%OFF」です。要約や言い換えをすると、見える人と見えない人で受け取る情報がずれてしまいます。

原則4: リンクになっている画像は「行き先」を書く

画像がリンクとして機能している場合、altには画像の見た目ではなくリンクの行き先・目的を書きます。スクリーンリーダーの利用者はリンクを一覧で聞き取りながらページを移動するため、「ロゴ」ではなく「トップページへ」のように、押した結果どこに行くのかが分かる文言にします。

NG例・OK例で見る実践パターン

よくあるケースを、NG例とOK例の対比で確認しましょう。

ケース NG例 OK例 ポイント
商品写真(ECサイト) alt="商品画像" alt="ネイビーのレザートートバッグ(A4対応)" 「画像であること」ではなく「何の画像か」を書く
装飾用のあしらい alt="飾り罫線" alt=""(空) 情報のない装飾は読み飛ばさせる。alt属性の省略は不可
文字入りバナー alt="キャンペーンバナー" alt="初回限定30%OFF 5月31日まで" 画像内の文字と同じ文言を過不足なく書く
ロゴ(トップへのリンク) alt="ロゴ" alt="Sitedrive トップページ" リンク画像は見た目ではなく行き先を書く
グラフ・図表 alt="売上グラフ" alt="2025年度の売上推移。第1四半期から第4四半期にかけて1.8倍に増加"+本文で詳細を記載 結論をaltで伝え、詳細データは本文や表で補完する
ファイル名のまま alt="IMG_1234.jpg" 内容に応じて上記いずれかのパターンで記述 CMSの自動挿入に注意。ファイル名は情報として無意味

特に注意したいのが「alt属性そのものがない」パターンです。空のalt=""は「装飾である」という明示的な指定ですが、alt属性がないとスクリーンリーダーはファイル名やURLを読み上げてしまう場合があります。すべてのimg要素に、内容ありか空か、いずれかのaltを必ず付けてください。

自社サイトのaltを確認する方法

altの欠落は、機械的なチェックで確実に検出できる代表的な項目です。ブラウザの開発者ツールで1ページずつ確認することもできますが、サイト全体では現実的ではありません。診断ツールを使えば、alt属性がない画像・ファイル名がそのまま入っている疑いのある画像を一括で洗い出せます。

30項目チェックリスト(PDF)では、altを含むWCAG 2.1 AA観点の代表的な点検項目を確認できます。まずは現状を把握し、本記事の4原則に沿って優先度の高い画像から整備していきましょう。対応全体の進め方はアクセシビリティ対応の進め方5ステップで解説しています。

よくあるご質問

altには画像の内容をどこまで細かく書けばよいですか?
その画像が文脈の中で果たしている役割が伝わる範囲で簡潔に書くのが基本です。写真の細部をすべて描写する必要はなく、周囲の本文が伝えようとしている情報を補完できれば十分です。目安として、長くても100文字程度に収め、詳細な説明が必要なグラフなどは本文や表で情報を提供します。
CMSで画像を大量に登録しています。全部にaltを書くべきですか?
情報を伝えている画像にはすべて必要です。ただし装飾目的の画像は空のalt=""を指定すべきで、「全画像に何かしら書く」が正解ではありません。CMSの入稿ルールとして「情報画像はaltを書く・装飾画像は空にする」を定め、入稿画面のalt欄を必須項目にするなど運用で担保するのがおすすめです。
altが空(alt="")の画像と、alt属性自体がない画像は何が違いますか?
大きく異なります。alt=""はスクリーンリーダーに「装飾なので読み飛ばしてよい」と伝える明示的な指定です。一方alt属性自体がないと、スクリーンリーダーがファイル名などを読み上げてしまうことがあり、利用者の混乱を招きます。装飾画像であっても、alt属性は必ず記述してください。

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